117 《イーゴリ公》序曲の聴きどころ

2026/08/18

オペラ ボロディン 序曲

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実質的にグラズノフが作曲した、《イーゴリ公》序曲(115 《イーゴリ公》序曲の作曲者グラズノフ参照)。この序曲には、オペラに出てくる旋律が使われています。

まず、歌劇《イーゴリ公》のあらすじをおさらいしましょう。

《イーゴリ公》あらすじ

イーゴリ公は、キエフ・ロシアのノーヴゴロド・セーヴェルスキイ公国の公として実在した人物(114 イーゴリ公ってどんな人?参照)。南からポロヴェツ人が侵入して略奪を繰り返すため、何度も討伐遠征を行います。中世ロシア文学の代表作『イーゴリ軍記』に書かれた1185年の遠征では、妻ヤロスラーヴナの反対や、日食(不吉な予兆)にもかかわらず出発。

でも、息子とともにポロヴェツに捕らえられ、捕虜に。イーゴリ公は、協力者の助けでなんとか逃走します。一方息子ウラディーミル・イーゴレヴィチは、ポロヴェツのハン(君主)コンチャークの娘コンチャーコヴナと恋に落ち、コンチャークは彼を人質のまま娘婿にします。

イーゴリ公は故郷に戻り、人々に歓迎されハッピーエンド。

序曲の中の音楽

序曲には、ボロディンが生前作曲したオペラの中の旋律が使われています。特に第2幕で、ボロヴェツに捕らえられたイーゴリ公が、妻をや故郷を思って歌う「イーゴリ公のアリア」が、その代表格。

まず、冒頭の伴奏部分が序曲の初めで使われます。

また、「おお我に…我に自由を与えよ」と祖国を思って歌う、このアリアの中心的な旋律が、序曲の2主題に

さらにその後、妻を思って「ただひとりの 愛しき者よ そなたのみ 我を咎めることなく」と歌う、ゆったりとした甘い旋律も続きます。


妻のヤロスラーヴナが第4幕で帰らない夫を思って「私は渡り鳥になって、ドナウの彼方まで飛んでいく」と歌う「ヤロスラーヴナの嘆き」でも、同じ旋律が使われます。 

また序曲の第1主題は第3幕で、コンチャコーヴナがウラディーミルに対してここから逃げて行かないでと歌う旋律です。

《イーゴリ公》というと〈ポロヴェツ人の踊り、以前はダッタン(韃靼)人の踊りと呼ばれた〉が有名ですが、序曲もよく考えられています。グラズノフ、ボロディンが残したアリアの旋律をうまく組み合わせていますね。

1993年にボロディン生誕160年を記念して発行されたロシアの1ルーブル記念硬貨。動画のデータは以下。

  1. 「イーゴリ公のアリア」:ティミトリー・ホロストフスキー(Дмитрий А. Хворостовский), Concert "Hvorostovsky and Friends for Children" 2014. https://youtu.be/9996XxMH4rg?si=RWA1_f1gabYPsgeB. 
  2. ヤロスラーヴナの嘆き」:タマラ・アンドレーエフナ・ミラシキナ(Тамара Милашкина). https://youtu.be/dtZObMVt7W4?si=l1cD3fxxn4hJg7J4. 
  3. 第3幕の3重唱よりコンチャコーヴナ「「ウラジーミル! まさかこれが本当なのですか?」:エレーナ・ヴァシリーエヴナ・オブラスツォワ(Елена Образцова).  https://youtu.be/w3N_Q1i9k9k?si=Yi24__g0yND-MQ1D 

演奏会情報

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聖光学院管弦楽団第34回定期演奏会

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