111 ヘンデルの主題によるパッサカリア(ハルヴォルセン)

2026/03/17

アンコール バロック音楽 室内楽

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33回聖フィル定期演奏会にいらしてくださった皆さま、どうもありがとうございました。大江さんと宮田さんのドッペル、素晴らしかったですね! おふたりは練習のときも、音楽作りについて私たちにいろいろアドヴァイスしてくださいました。ありがとうございます!

定演後の聖フィルコラムは、いつもアンコールについて書いています。今回のおふたりによるアンコールは、ハルヴォルセンのヴァイオリンとチェロのための「ヘンデルの主題によるパッサカリア」でした。

ヨハン・ハルヴォルセン

ハルヴォルセン(実は私、今回初めて知った名前です)は、1864年ノルウェー生まれ。リヒャルト・シュトラウスと同い年ですね。同郷の先輩であるグリーグは20歳以上年上(1843年生まれ)ですが、ふたりは親密な友情を育むことになりました。

ヴァイオリニストとして海外で勉強・活動。1899年、新設されたノルウェー国立劇場の指揮者・作曲家となり、30年間を過ごします。1935年に71歳で亡くなりました。

ヘンデルのパッサカリア

ヘンデルのハープシコード組曲第1集第7番ト短調 HWV432 は、ウーヴェルテュール、アンダンテ、アレグロ、サラバンド、ジーグ、パッサカリアの6曲から成ります。ハルヴォルセンはこの終楽章を取り上げました。

パッサカリアは3拍子の舞曲で、バッソ・オスティナートに基づくバロック時代の変奏曲と見なされてきました。シャコンヌとも呼ばれ、短いバス定型を繰り返しながら上声部がどんどん変化していきます(詳しくは、095 シャコンヌとパッサカリア参照)。

ヘンデルのハープシコードのためのパッサカリアは、4小節から成る「ソ―ミ♭(またはド)―ファ―シ♭(またはレ)―ミ♭―ド―レ―ソバッソ・オスティナートを繰り返します。付点音型の主題で始まり、8分音符、3連符、16分音符と、だんだん音価が短く(動きが速く)なる15変奏が続きます。

4小節ずつダブル・バーで区切られていて、172011月にヘンデル自身の監修により出版された楽譜では、最初(主題)と最後の4小節にだけに繰り返し記号が付いていました。この繰り返し記号は全てに付くと考えられ、この動画のように2回目は装飾を加えて演奏されます。 

ハルヴォルセンのパッサカリア

今回アンコールで演奏されたのはヴァイオリンとチェロのためのバージョンでしたが、オリジナルはヴァイオリンとヴィオラ用。1897年に作られました。

タイトルは「ヘンデルの主題による」ですが、ハルヴォルセンは主題だけを使ったのではありません。ハープシコード版の第10変奏までを、かなり忠実になぞっています(第4変奏のみ省略)。

ただその後、第11変奏、第12変奏(バッソ・オスティナートが変わる部分、上の動画の3:06〜)は省略。1315変奏を特徴付ける16分音符4つ一組のアルペジオ音型は、トリル付きの八分音符3つの変奏に大きく変更されました。

そして、アンダンテにテンポが落ちる変奏以降は、ハルヴォルセン・オリジナルのパッサカリアに。彼自身が卓越したヴァイオリニストであったことが偲ばれる、渋いながらドラマティックな掛け合いの世界を作り出しています。

宮田さんと大江さんの(ドッペルとはまた異なる)魅力が詰まった、本当に贅沢なアンコールでした。

  • https://youtu.be/O0Io9FmeDME?si=YT7MCK3W6apeRSgm  Laurence Cummings, recorded at Holy Trinity Church, Weston, Hertfordshire, UK, in 1999. Double-manual harpsichord after Micheal Mietke (c. 1704) by Bruce Kennedy. Image of Johan Halvorsen, by Karl Anton Nyblin, before 1895. 

演奏会情報

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聖光学院管弦楽団第33回定期演奏会

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