聖フィル第33回定期演奏会が迫ってきました。今回はスペシャル・ゲストお二人のブラームスが注目されがちですが、シベリウスの交響曲第2番も名曲。今回はシベ2の聴きどころとして、ベートーヴェンとの共通点を考えてみました。
100年後の作曲家
シベリウスは1865年生まれ。1770年生まれのベートーヴェンより約100年後の作曲家です。56歳で亡くなったベートーヴェンとは異なり、91歳まで長生きしました(075 シベリウス・クイズ参照)。
シベリウスの交響曲は、番号付きが7曲とクレルヴォ交響曲で計8曲。でも、交響曲第8番に取り組んでいたことを示す証拠が存在します(自筆譜が全く現存しないことから、シベリウス自身が自筆譜を破棄した可能性が考えられています[注1])。ということは、ベートーヴェンと同じ9曲作ったことになりますね。
100年後の交響曲
交響曲の中で最も人気があり、演奏機会が多いのが第2番。第1番の初演後1899年6月に作曲を始め、1902年3月8日にヘルシンキで初演しました。
これって、ベートーヴェンが交響曲第2番をハイリゲンシュタットで作曲した約100年後。第2番は1802年に作曲、1803年4月5日に初演されました。ここでは、交響曲第5番《運命》を比較の対象にします。1807年から翌年にかけて作曲、1808年暮れに初演されたこの曲も「約100年前」の作品ですね。
《運命》とシベ2の共通点①:構造
シベ2の人気は、第2楽章と第3楽章スケルツォが短調で作られているのに、第4楽章が長調で輝かしく始まるからかも。これは、ベートーヴェンの《運命》と同じ「苦悩を乗り越えて歓喜へ」の構造(ただし、シベ2の第1楽章は長調ですが)。しかも、両方とも第3楽章から第4楽章が続けて演奏されます。
《運命》とシベ2の共通点②:楽器編成
20世紀に作られた交響曲なのに、シベ2は2管編成(ホルン4なので、正確にはベートーヴェンの《第九》以降の、ロマン派2管編成ですね)。トロンボーン3はベートーヴェンも、《運命》第4楽章、《田園》第4・第5楽章、《第九》第2・第4楽章で使いました。ティンパニも2個。
違いはトランペットが2ではなく3であることと、テューバが加わっていることだけです(この2つの追加が大きな違いを生み出しているのですが)。
同時代のマーラーの交響曲の楽器編成と比べてみましょう。たとえば、同時期(1901〜02年)に作曲されたマラ5は、3管編成でフルートは4。トロンボーン3とテューバ1はシベリウスと同じですが、ホルンは6、トランペットは4。しかも、ティンパニ4個、シンバル、大太鼓、トライアングル、小太鼓、タムタム、スラップスティック(むち)、グロッケンシュピールに、ハープ。
マーラーの編成は極端だとしても、シベリウスは交響曲第1番では大太鼓、シンバル、トライアングルとハープを導入しています。一方、次の交響曲第3番では、トランペットが2に減り、テューバも無くなり、まさに100年前の古典派の2管編成に。その後の交響曲も、この編成を基本としています。
注
- "The war and the destruction of the eighth symphony 1939-1945." Jean Sibelius. Finnish Club of Helsinki.
- Finnish composer Jean Sibelius in 1923. "The last masterpieces 1920-1927." Jean Sibelius. Finnish Club of Helsinki.


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