次の定期演奏会で、聖フィルはモーツァルトのレクイエムを演奏します。第九以外で、声楽入りの曲を取り上げるのは初めて。
モツレクは、モーツァルトの最後の作品。驚くほど未完成ですが、それについては改めて書くとして、今回はまず、レクイエムとは何かを説明します。
レクイエムとは何か①
レクイエムは、死者のためのミサ曲。
ミサ曲とは、ミサで使われる音楽。
ミサとはカトリック教会で行われる典礼。主に主日(主の日=日曜日)やクリスマスなどの祝祭日に、信徒が集まって行う礼拝です。
レクイエム=死者のためのミサ曲は、葬儀や、命日や記念日に行われる追悼ミサ、死者の日に使われます。死者の日とは、カトリック教会で亡くなった全ての信者を記念する日で、11月2日です。
レクイエムとは何か②
レクイエム=死者のためのミサ曲の構成には、通常のミサ曲(ミサ・ソレムニスなど)と異なる点があります。
1.通常のミサ曲は5楽章構成(これらは、1年中歌詞が変わらない、通常文と呼ばれます)
- キリエ
- グローリア
- クレド
- サンクトゥス
- アニュス・デイ
しかし、レクイエムでは神の栄光を讃える華やかなグローリアと、信仰宣言であるクレドを含みません。
2.通常文だけではなく、イントロイトゥスや、ディエス・イレで始まるセクエンツィアなど、その日によって固有の歌詞(つまり、クリスマスにはクリスマス用の、イースターにはイースター用の歌詞)を持つ固有文も含まれます。
また、フォーレのレクイエムのように、ディエス・イレが省かれてイン・パラディスムなどが含まれることもあります。
レクイエムとは何か③
レクイエム requiem とはラテン語で「安息」という意味。
死者のためのミサ曲の1番最初の曲、イントロイトゥス(入祭唱。ミサを司式する司祭らが入場するときに歌う音楽)の1行目は、Requiem eternqm dona eis, Domine(ラテン語で「主よ、彼らに永遠の安息を与えたまえ」)。すなわち、レクイエムという単語で始まるため、死者のためのミサ曲全体をレクイエムと呼ぶようになりました。
ちなみにこの文は、外典『エズラ記第二』2章34–35節から引用されたものです。
レクイエムとは
レクイエムは、死者のためのミサ曲は、死者の魂の安息のために捧げられる音楽。
レクイエムの日本語訳として鎮魂歌あるいは鎮魂曲という言い方が知られていますが、死者の魂のための祈りであって、魂を鎮めるための音楽ではありません!
注
- Mozart, c. 1781, detail from portrait by Johann Nepomuk della Croce.

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