オケ奏者のなかにもピアノを習った方、習っている方が多いと思います。ピアノの練習曲と言えば、100番練習曲や30番練習曲が良く知られていますね。
他にも40番練習曲、50番練習曲、60番練習曲(この順番で難しくなります)や、左手のための練習曲、小さな手のための練習曲、8小節の練習曲などなど(私は子どものころ、100番練習曲集以外のここにあげた練習曲全てを与えられました。60番練習曲は途中で挫折しましたが)。
タイトルに数字が含まれた練習曲、たとえば30番練習曲なら、全部で30曲の練習曲が含まれます。でもこれは日本で付けられたタイトル。原題は
- 30番:《熟練教程のための入門》
- 40番:《熟練教程》
- 50番:《指の熟練のための技術》
- 60番:《専門家のための教程》
などです(いずれも千藏八郎訳。60番練習曲解説、全音楽譜出版社)。
これらの練習曲集の作曲者は、Carl Czerny(1791〜1857)。チェコにルーツを持つウィーン生まれのピアニスト、ピアノ教師、作曲家です。ベートーヴェンのピアノの弟子で、フランツ・リストのピアノの師匠でした。日本ではツェルニーと呼ばれ、楽譜もツェルニーで出版されるものが多いのですが、
Czerny の正しい発音はチェルニー
大学時代、西洋音楽史の先生に「ツェルニーではなくチェルニー!」と強調されたので、とても気になります。
チェルニーは多作家
1000作品以上を残しています。上にあげた数字付きの練習曲集5冊だけでも、30+40+50+60+100で280曲。すごい数ですが、何曲入っていても練習曲集1つで1作品。
ウィキペディア英語版の List of compositions by Carl Czerny には、Op. 1 から Op. 861 までタイトルがズラーっと並んでいます。壮観! ちなみに最後の Op. 861 は、上にあげた《左手のための練習曲集》(30曲)でした。30番は Op. 849、40番は Op. 299、50番は Op. 740です。
ピアノ曲、ピアノ連弾、2台ピアノ、ピアノ協奏曲以外に、宗教曲や交響曲も作っています。どんな交響曲だろうと思って、第1番ハ短調を探してみました。チェルニーの交響曲、なかなかおもしろいですね。
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